敵をも傷つけない武術『黒月流合気柔術』を広めるため江戸にやってきた黒月雪路。
しかし、要領の悪さからか、彼のもとには門弟が誰もいなかった・・・。
どうにか門弟を探すため、町に繰り出した雪路。
そこで少年・継春に出会うのだが、『黒月流合気柔術』を否定されてしまうのだった・・・。
果たして雪路の心は継春に届くのか!?
『無刀ブラック』とは
週刊少年ジャンプ2013年25号から2013年36号まで連載していた合気道漫画。
作者は野々上大二郎。
単行本は全2巻。
作者の体調面に問題があったのか、編集上の都合なのか、久しぶりの”12週打ち切り漫画”となってしまった。
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こんなストーリー
黒月流合気柔術・黒月雪路
敵をも傷つけない武術『黒月流合気柔術』を広めるため江戸にやってきた黒月雪路。
しかし、江戸に来て一週間にもなるが、門弟は誰一人としていなかった・・・。
このままでは、道場の家賃も払うことができない。
どうにか門弟を集めるため町へとやってきた雪路であったが、そこで少年・継春と運命的な出会いを果たすのであった。
少年・継春
ひょんなことから仲良くなった継春に『黒月流合気柔術』を薦める雪路であったが、継春は他の道場に属しているうえに、「守るだけの武術は絵空事だ」と言われ断られてしまう。
それもそのはず、実は、継春は4年前に母親を何者かに殺されて以来、強いものが弱いものを傷つけることが当たり前のことだと思うようにしていた。
そんな継春にとって、雪路の言う”守る武術”は、納得がいかないのだった。
津上一刀流道場
継春は、強くなるために『津上一刀流道場』に属していた。
しかし、道場に属してからというもの毎日コキを使われ、暴力を受けるだけで、まったく剣術の指導を受けさせてもらえていなかったのだ。
そこには、継春が抱える”ある事情”があったのだが・・・・。
黒月流合気柔術の”本当の強さ"
今日もまた津上一刀流道場で暴行を受ける継春・・・。
しかし、そこに雪路が現れた。
そして、雪路は剣を持った津上一刀流道場の門下生たちを、いとも簡単に『黒月流合気柔術』で傷つけることなく倒してしまう。
その姿をみて、継春は”本当の強さ”というものに気付くのだった・・・。
最後に・・・
以上、『無刀ブラック』のジャンプ漫画神拳であった。
「相手を傷つけない」という、この漫画の重要な設定が逆に足を引っ張ってしまっていた。
「相手を傷つけることなく倒すにはどうすればいいのか」というと、やはり相手の戦意を喪失させたり、改心させることだろう。
雪路が相手を改心させるために説得・・・つまり”説教”をする場面が多く、全体的に説教くさくなってしまっていた。
そして、「相手を傷つけないで戦う」ということは「本来の強さを隠して戦う、手加減して戦う」ということ。
その設定を生かすには、どうしても戦う相手は”格下”になってしまいバトルシーンの緊張感がなく面白味がなくなっていた。
雪路の戦い方が”基本的にかわしたり、相手の力を利用したりするもの”なので、お互い打ち合いになるような激しい展開にはならず、やはりバトルシーンは読んでいて地味だった。